苺くんは、 蜜柑ちゃんを愛してやまない
「たまには、一虎くんの食べたい物にしよ?」
メニューを一虎の方に向けながら言った、蜜柑。

「蜜柑ちゃんの食べたい物じゃないと意味がないよ!
蜜柑ちゃんと同じ物が食べたい!
それは、蜜柑ちゃんの食べたい物じゃないとダメ!
蜜柑ちゃんの好きな物を俺も共有したいから!
…………はい!選んで?」

結局、蜜柑が二種類のオムライスを決め、仲良くシェアをして食べる。

一虎は、本当に幸せそうにオムライスを頬張っている。
「蜜柑ちゃんと一つになれた感じがする!幸せ~!
あ!でもぉー、蜜柑ちゃんがあーんしてくれたら、もっと幸せになれるよ?俺」

「で、でも…恥ずかしくない?」

「へ?恥ずかしい?何が?」

「だ、だって、ここ…家じゃないし…/////」

「関係ないよ?
だって、俺は常に蜜柑ちゃんしか見てないから。
蜜柑ちゃんのことしか、考えてない。
仕事中も蜜柑ちゃんのことばっか考えるから、今日も碧馬に怒られたんだよ?(笑)」

「そうなんだ…!嬉しいけど、なんか照れるな////」

「フフ…
てことで!
あーんして?」
「じゃあ…
あ、あーん…」
スプーンにすくったオムライスを、一虎の口元に持っていく。
パクッと食いつき、ニコッと微笑み食べた。

「か、可愛い…////一虎くん」
「え!?そう?
蜜柑ちゃんの、理想の男になってる?俺」

「え?理想?」

「そう!
蜜柑ちゃん、甘えられたいって言ってたでしょ?」

蜜柑は、目をぱちぱちして一虎を見る。

「だから俺は、蜜柑ちゃんに甘えてるんだよ?」

「私の…為?」

「もちろん!
“俺、蜜柑ちゃんの理想の男になってあげるよ?”
………って、言って告ったの覚えてる?」

「うん、もちろん」

「蜜柑ちゃん言ってたでしょ?
“私は、年下の子が好き”って!
“甘えられたい”って。
年下ってのはいくら俺でも無理だから、せめて蜜柑ちゃんに甘える可愛い男でいようって思ったんだ」

「そうだったんだ……!
私のために、甘えん坊さんになってくれたんだ!」


「そうだよ!
蜜柑ちゃんが望むなら、どんな男にもなってあげる!
俺様がいいなら、俺様の旦那になってあげる。
クールが良ければ、クールな旦那。
大人の男が良ければ、沢山甘えさせてあげるよ?
あ、でも!
単身赴任の旦那みたいな、週末婚はダメだよ?
蜜柑ちゃんから、絶対!離れないから!」

蜜柑は一虎の言葉を聞いて、なんだか胸にあるつっかえが取れたような感覚がしていた。
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