Cherry Blossoms〜難解なカルテ〜
「でも、このまま詩織さんを放っておくわけにはいかないわ」
大勢の人が話している中でも、一花の声だけははっきりとわかる。そして、その声を聞くたびに心が癒されていくのだ。患者のことを一番に考え、患者を想うその声に、桜士の脈が早くなる。
その時、アルフレッドの声がやけに大きく聞こえた。
「あのさ、俺、昴くんから聞いたんだ。付き合うようになってから、詩織さんは自傷行為をするようになったって」
その言葉に桜士の目が見開かれる。それは、詩織のオーバードーズの大きな原因が隠れているように思えたのだ。桜士は調べるため、病院の図書室へと向かった。
数日後、救急科の椅子に詩織と昴が座っている。桜士が呼び出したのだ。二人にアルフレッドが付き添っている。
「突然呼び出してしまい、申し訳ありません」
桜士がペコリと頭を下げると、「オーバードーズのことですか?」と詩織ではなく昴が訊ねる。ヨハンが大きく頷いた。
「こいつがわかったことがあるんだってよ!」
大勢の人が話している中でも、一花の声だけははっきりとわかる。そして、その声を聞くたびに心が癒されていくのだ。患者のことを一番に考え、患者を想うその声に、桜士の脈が早くなる。
その時、アルフレッドの声がやけに大きく聞こえた。
「あのさ、俺、昴くんから聞いたんだ。付き合うようになってから、詩織さんは自傷行為をするようになったって」
その言葉に桜士の目が見開かれる。それは、詩織のオーバードーズの大きな原因が隠れているように思えたのだ。桜士は調べるため、病院の図書室へと向かった。
数日後、救急科の椅子に詩織と昴が座っている。桜士が呼び出したのだ。二人にアルフレッドが付き添っている。
「突然呼び出してしまい、申し訳ありません」
桜士がペコリと頭を下げると、「オーバードーズのことですか?」と詩織ではなく昴が訊ねる。ヨハンが大きく頷いた。
「こいつがわかったことがあるんだってよ!」