Cherry Blossoms〜難解なカルテ〜
「私は!お父さんやお母さんにきちんと「私」を見てほしかった!小さい頃からずっと、二人の頭には仕事か子どもの成績しか知らなかった!クリスマスやお正月をみんなで過ごしたこともなくて、誕生日だってお祝いしてもらったことはない。だから、祝ってもらえるクラスメートが羨ましかった。だけど、「エリートの家はこんなものだから」って言われて、そうなんだと思い込んできた」
詩織の目から涙が零れ落ちる。昴が無言で詩織を抱き締めた。彼の瞳にも涙が浮かんでいる。
「図書館で勉強していた時、昴くんと出会って、告白されて、一緒に勉強したり、記念日にプレゼントを貰ったりするたびに、愛を知って、それを家族にもしてもらいたいって思っちゃったの。家族から愛されたい、大切にされたい、頭が悪くても、東大に行けなくても、私を見てほしいって……」
そんな感情から、彼女は自分の命を危険に晒す好意をしたのだ。桜士は少し呆れてしまった。一花も少し怒ったような顔をしている。だが、アルフレッドだけは違った。
詩織の目から涙が零れ落ちる。昴が無言で詩織を抱き締めた。彼の瞳にも涙が浮かんでいる。
「図書館で勉強していた時、昴くんと出会って、告白されて、一緒に勉強したり、記念日にプレゼントを貰ったりするたびに、愛を知って、それを家族にもしてもらいたいって思っちゃったの。家族から愛されたい、大切にされたい、頭が悪くても、東大に行けなくても、私を見てほしいって……」
そんな感情から、彼女は自分の命を危険に晒す好意をしたのだ。桜士は少し呆れてしまった。一花も少し怒ったような顔をしている。だが、アルフレッドだけは違った。