Cherry Blossoms〜難解なカルテ〜
「俺、ワシントンの高校に行くよ。ワシントンの高校に通って、大学はワシントンの医学部を受けたい」

三人が仲良く過ごしているのを見るのが嫌で、アルフレッドは高校はニューヨークから離れたワシントンへ行きたいことを伝えた。すると、両親は嬉しそうな顔を見せる。

「それがいいだろう」

「学費は払ってあげるわ」

アルフレッドは両親に言った通りワシントンに進学し、そのまま医学部を受験した。親に頼らなくても生活できる仕事は医者しかないと思ったため、医者になることにしたのだ。

(……でも、思っていた何倍も医学部って大変だな!!)

医学部では体のこと全てを勉強する。骨のこと、血管のこと、薬のこと、さらには解剖まで。同期と励まし合いながら勉強に励んでいるものの、アルフレッドの心は折れそうになっていた。

「……疲れたなぁ……」

大学の中庭にある木にもたれかかり、アルフレッドは息を吐く。こんな時に考えてしまうのは、自分のことだ。自分は何のために生まれたのか、何のために生きているのか、わからなくなる。
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