Cherry Blossoms〜難解なカルテ〜
「ごめんなさい、もうそろそろ行かないと!これ、お疲れのようですしよかったら飲んでください」

一花はかばんの中から紅茶のパックを取り出し、アルフレッドに渡す。ストロベリーティーと袋には書かれていた。

「大学で会えたら、またお話ししたいです!」

そう笑う一花に、アルフレッドも「俺も君と話したい!」と言って笑った。

過去は、決して暗くて重いものではないのだと一花を見て気付かされた。過去を見ていても何も生まれないし、得られない。その過去を原動力にして前に進むことしか人にはできない。

「いつか、過去を希望って呼べるようになれたらいいな……」

手のひらにあるストロベリーティーの可愛らしい袋を見つめ、アルフレッドは微笑んだ。







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