チャット恋愛注意報!! 〜フジヤマ過去編〜
「……まぁ、次があればだけどな……」
一人で勝手に盛り上がっても、またチャットで会えるかどうかはわからない。
会えることを期待しても仕方ない。
むしろ、期待しない方がいい。
「……あ゛ぁくそ、マジで連絡先の交換しときゃよかった」
後悔しても後の祭り。
そうわかっていながらも、今はただひたすらに後悔し続けるだけだった。
──……2ヶ月後。
────
>>フジヤマさんが入室しました。
────
いつもと同じように『高校生ルーム8』に入ると、いつもと同じメンバーから挨拶が来る。
────
サクラ>おはよー
ユージ>フジヤマおはー
────
リアル高校生だというサクラとユージ。
夏休みに入った二人はほとんど毎日『高校生ルーム8』に居て、いつも楽しそうに会話をしている。
俺のことは「どっかの変なオッサン」と思ってるだろうけど、それでも差別することなく接してくれている。
ネット上で新たに出来た友達だ。
そして、もう一人。
────
YUKI>フジヤマ!待ちくたびれたよー
YUKI>やっといつものメンバーが揃ったね♪
────
その言葉を見て、自然と笑う。
YUKIは、今日もまた『高校生ルーム8』に居る。
出会った日の翌日も、そのまた翌日も。
当然居ない日もあったけど、それでもまた『高校生ルーム8』に来て、多くのことを語り合ってきた。