チャット恋愛注意報!! 〜フジヤマ過去編〜
「……みんなで会う、か……」
6年前もそうしてればよかっただろうか?
俺と、ユキと、仲の良かった他のメンバーと。
「みんなで」という名目でなら自然と会えたと思う。
……いや、でも無理か。
北は北海道から南は沖縄まで、当時やり取りしてた友達は全国各地に居た。
そのみんなが集まるなんて不可能だし、数人だけで集まるっていうのも微妙な感じになる。
それに、「みんなで」の中にユキが入るかどうかもわからない。
断られたらそれで終わり。
そして結局、今と同じようにある日突然 関係が終わる。
そんな気がする。
「……ハァ。 ウジウジしたって仕方ねーか」
よっ、と勢いよく体を起こし、グーッと背伸びする。
「今度みんなが集まった時に言う。 それでオッケーってことにしよう」
ダメで元々だ。
オッケーがもらえたら超ラッキーだって思ってやっていこう。
あんまり考えすぎたって、キツくなるだけだしな。
「……よしっ、それでオッケー。 オッケーってことにしておこうっ」
不安はある。
むしろ不安しかない。
でも大丈夫と信じてやっていく。
それしかない。
ユキを待ち続けた6年間。
そこで出会った新しい友達たちとの関係を、今は大事にしていきたい。
ユキのことを忘れることはないけれど、でも……前へは進む。
あわよくば、YUKIと親密な関係になりたい。
1歩じゃなくて、2歩3歩と進んでいきたい。
それが今の俺の希望だ。