チャット恋愛注意報!! 〜フジヤマ過去編〜


「……みんなで会う、か……」



6年前もそうしてればよかっただろうか?

俺と、ユキと、仲の良かった他のメンバーと。

「みんなで」という名目でなら自然と会えたと思う。


……いや、でも無理か。

北は北海道から南は沖縄まで、当時やり取りしてた友達は全国各地に居た。

そのみんなが集まるなんて不可能だし、数人だけで集まるっていうのも微妙な感じになる。

それに、「みんなで」の中にユキが入るかどうかもわからない。

断られたらそれで終わり。

そして結局、今と同じようにある日突然 関係が終わる。

そんな気がする。



「……ハァ。 ウジウジしたって仕方ねーか」



よっ、と勢いよく体を起こし、グーッと背伸びする。



「今度みんなが集まった時に言う。 それでオッケーってことにしよう」



ダメで元々だ。

オッケーがもらえたら超ラッキーだって思ってやっていこう。

あんまり考えすぎたって、キツくなるだけだしな。



「……よしっ、それでオッケー。 オッケーってことにしておこうっ」



不安はある。

むしろ不安しかない。


でも大丈夫と信じてやっていく。

それしかない。


ユキを待ち続けた6年間。

そこで出会った新しい友達たちとの関係を、今は大事にしていきたい。

ユキのことを忘れることはないけれど、でも……前へは進む。

あわよくば、YUKIと親密な関係になりたい。

1歩じゃなくて、2歩3歩と進んでいきたい。


それが今の俺の希望だ。


< 20 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop