チャット恋愛注意報!! 〜フジヤマ過去編〜
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>>フジヤマさんが入室しました。
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毎度お馴染みのその言葉によって、俺の入室が『高校生ルーム8』に居るメンバーに知らされる。
と言っても、今はユキしか居ない。
朝の早い時間ということもあって、まだ他のメンバーは来ていないらしい。
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ユキ>おはよー
フジヤマ>おはー
フジヤマ>つか二人で喋るの久しぶりだなw
ユキ>だよね!みんなまだ寝てるのかもw
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普段と変わらないユキを見て、自然と笑みが零れる。
二人きりなら1歩進められるかも? と一瞬思ったけど……結局は何も出来なくて、いつも通りにするだけ。
今日は女子大生の日らしいよ、とか。
キャンパスライフってなんか憧れるよねー、とか。
そんな話を二人でしながら、文字上で笑い合う。
ユキと喋るのは、やっぱり楽しい。
俺が欲しい言葉を欲しいタイミングでピッタリとくれる。
それがたまらなく嬉しかった。
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ユキ>やっぱりフジヤマと喋るの楽しいなぁ
フジヤマ>俺も同じこと思ってたよw
ユキ>やっぱり? 考え方が似てるもんねw
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思考が似てるなら、ユキも俺を好きだって思ってくれてねぇかな。
って、さすがにそれは都合が良すぎるし、そういう考えをする俺 気持ち悪いな……。
ユキは純粋に笑ってるのに、俺だけ下心満載だ。
せっかく二人で話してるんだから、俺ももっと普通に会話を楽しもう。