私を甘やかしてくれる人いませんか?
新堂 未来 28歳。
そろそろ焦っています。
スタイルが良くて、そこそこの容姿・・・
性格も素直で、笑顔が可愛い・・・
でもなぜか彼氏は・・・いない・・・
出来たと思えばすぐに振られる・・・
何で?・・・
「あーん。また振られた~正志、飲みに行きたい~」
「未来また振られたの? 」
草薙 正志は大学の同級生。今も同じ会社で勤めているという腐れ縁。
会ったことはないけど正志にはおとなしい彼女がいる。でも正志はたまに未来の憂さ晴らしに付き合ってくれる。
「正志~どうして私彼氏と長続きしないんだろう? 」
「知らねーよ。お前と付き合ったことないからな。」
「私の何がいけないのかな・・・」
「今回は何て言われて振られたの? 」
「お前は重いって・・・」
「・・・お前、彼氏に何言った? もしかして付き合って直ぐにいつ結婚してくれるのとか、親にあってとか、そんなこと言ったんじゃねーの? 」
「言った。両方言った。」
「ハー。なら俺でもそう言うよ。」
「何で? 友達じゃなくて彼氏だよ。何でいけないの? 」
「恋人同士になっても、彼氏のことなんでも知っているわけじゃないだろ。向こうだってお前のこと全てを知っているわけでもない。付き合って、徐々に相手のこと知っていって、このまま一緒に居たいのか、今だけ楽しいというレベルなのかって、わかっていくんじゃないの? それなのに付き合って直ぐ1~2ヶ月くらいでそんなこと言われたらさ、キッツイよな。未来の場合はさ、相手に結婚を迫って恋愛を楽しめないんだ。それじゃ息が詰まる。相手が可哀そうだよ・・・ホントに結婚したいなら、見合いにすれば。お前のとこ家もいいんだし、お前もそこそこ見栄えいいし。それなら早いよ。」
「・・・・イゃだ! 恋愛したい! 彼氏に甘やかされたいの。ラブラブの恋愛してみたいの・・・恋愛ってどうやってするの? 」
「えっ? ちなみに・・・今までどんなデートしたの? 」
「水族館や美術館や遊園地や映画館・・・どこかに行って、それから食事。その後、まれだけど彼の家に行ったり・・・」
「なんだか堅苦しいデートだな。初心者コースだね。まあ初めはそんなとこか。」
「正志はどんなデートしているの? 」
「どこかに行くこともあるけど、公園で寝転んでたいして話もせずにお互い本読んでいる時もある。なんだか気兼ねしないというか・・・一緒に居るってことだけってこと多いかな。」
「そういうのって付き合い長いからでしょ。もうその人と結婚するの? 」
「まだわからない。」
「そうなの? 可哀そう。そんな感じになっていて今振られたら彼女辛いよね・・・」
「そうかもな。でも、俺は彼女に対して全て満足しているわけではないからな。」
「そうなんだ。男の人って、彼女がいても他の人見ているの? 」
「そりゃそうだろ。未来は彼氏できたら、他の男は目に入らない? 」
「入らないというか・・・入れない・・かな。」
「なるほどね。一途だね。そういう一途なのが好きなやつもいるけど普通は辛いよな。男ってさ、少し焼きもち焼かせるようなことされると燃えるんだよね・・・お前さ、もう少し友達感覚の男にしたら? 」
「いないもん。そんなの・・・男友達なんて・・正志くらいだよ・・・」
「ふーん・・・それならさ、未来・・・俺と付き合ってみる? 」
「えっ? 何言ってるの彼女持ちがさ・・・」
「先ずは1ヶ月。期間限定彼氏はどう? お前にとっては恋愛の練習にもなるだろ? 」
「うーん。正志なら何でも言えるし・・・ホントに彼女さんに悪くない? 」
「上手くやるさ・・・」
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