私を甘やかしてくれる人いませんか?
未来は母親にもらった町内の福引券で3等賞を当てた。お二人様焼き肉食べ放題券だった。
ラ: 未来 福引でお二人様焼き肉食べ放題券をもらいました! いつか行けますか?
ラ: 正志 さっすが大食い。食べ物をしっかり当ててる。
ラ: 未来 そうです。フフフ。だから行こう!
ラ: 正志 今度の日曜日でいい?
ラ: 未来 いいよ。7時にお店で。△△という店わかる?
ラ: 正志 了解! 昼抜きで行くかな。ハハハ。
ラ: 未来 そうだね。フフフ
焼き肉店で二人はエプロンをかけ、次から次へと色々な部位を順番に食べた。締めには冷麺も食べた。
「あー食った。こんなに肉食ったの久しぶりだ。」
「私も! タン塩が最高! 壺カルビも! 」
「お前って食べ物の話している時が一番幸せそうだな。」
「そうかな。そんなことないと思うけど・・・」
「だって、あんまり趣味ないだろ? なんかあるの? 」
「旅行かな・・・美味しいもの食べられるし・・・」
「ほら見ろ。食い物目当てだろ。」
「ホントだ・・・フフフ。」
「未来ってギャップがいいよな。パッと見はお嬢様でおとなしそうだけど、実際は大食いだし言いたいことも言う。なんで今までの彼氏とはうまくいかなかったかわかったような気がする。お前が嫌われたくないとか思って自分をさらけ出していなかったんだろ。自分の魅力を自分で消してたんだ。」
そうかもしれないと未来は思った。
「・・・未来・・・今度旅行行く? 」
「えっ。正志・・・さすがにまずくない? 」
「俺は行きたいけど・・・」
未来は悩んだ。
・・・本当に引き返せなくなりそう・・・