私を甘やかしてくれる人いませんか?
2日後の夜のことだった。
会社を出たところで女の人に声をかけられた。
「新堂 未来さんですか? 」
「はい。そうですが・・・」
「私、草薙 正志とお付き合いをしています、多田郁美 です。進藤さん、正志と最近よく会われていますよね。どういうことですか? 私という存在、御存じではなかったですか? 」
「・・・・」
「今までのことは結構です。今後もう正志と会わないで頂けますか。」
「正志さんは何と・・・」
「正志には聞いていません。あなたさえ会わないと言ってくださればいいのです。わかって頂けましたか? 」
「・・・・」
「では失礼します。」
郁美は帰っていった。
未来は凍り付いた。
・・・なんて冷たい目・・・あれが正志の彼女なの? ・・・
・・・おとなしいと聞いていたけど、違う・・・
・・・ヘビみたい・・・
・・・でも、これでもう正志には会えないよね・・・