勉強は恋のキューピッド。
それから、私は一生懸命に勉強した。


彼方の事なんて分からない。


最近、全然寮に来ないし。


もしかしたら、同じ結婚科の誰かの寮に泊まらせてもらってるかもしれないし(普通科に転科できるのは2年生かららしい)。





 今はもう、彼方の事なんて考えないで、テスト勉強に集中しよう。


「あ、この問題。彼方に教えてあげた方がいいかも」


「あ!これ、彼方が分かんなそう!教えてあげなくちゃ!かーなーたー!!」


シーン……。


(そうか、彼方は今いないんだ)


そんな事はほぼ毎日ある。





そして来た、六月十五日。


八十点以上取れたら彼方に告白する、テストの日。


私は、どこでも、靴箱でも、彼方の姿を無意識に探していた。
 
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