約束された血の匂い

その4

約束された血の匂い/その4
麻衣



西城アツシへの処刑オペは、昨日今日の思い着きではない

なにしろ、コイツ、”麻衣ヒットリスト”の中では、古くからの”住人”さんだ

でね…、アツシのバカ、私のリストから消えない努力に怠りはなかったよ

極めて本心に従って、私の怒りを買う道に邁進していったわ


...



私が久美を殴りつけたあの日、アツシとの決別を誓わせた

それから数日後、アツシを逆髪神社の境内前に呼び出していたんだが…

私からはこのクソ男への、”最後通告”をしておきたかった


...



賽銭箱を背に腰をおろし、両膝を両腿に突きたて、神社下からのヤツを待った

「ああ、麻衣お嬢さん、すいません。遅くなって…」

コイツ、13分遅刻だったわ

「そうね。あなたとの時間は15分と見込んで、この後詰まってるから、要件のみでさっさとケリつけましょ。いいかしら?」

「ええ‥。そんで、何ですかね、要件は?」

はっ?


...



すっとぼけやがって!

私はすっくと立ちあがり、アツシの正面に歩み寄ると、思いっきりコイツの左つま先を踏みつけてやった

「痛えー!」

”何すんだ、コイツ!”

目でそう言ってるわ、このデブ

まあ、納得なんだけどね

私の靴底、”鉄板”忍ばせてるし…(笑)






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