美しく小さき光
「周りの子に、絶対言わない?」

もちろん、信頼なんてしてないから流れてもコトしか言わないけど。

「うん、絶対。」

分かったよ。
私は話すことに決めた。

狙われた、なんて言っても分からないだろうから
煽り運転ってことにしよう。

「実はきのう、私の妹の沙那がバレエのお稽古帰り、お迎えの車が煽り運転に遭って亡くなってしまったの。私の自慢の妹だったし、何より煽り運転した奴が、、、っ!か、顔見知りなの。」

涙を堪えずにはいられなかった。

すると、彼はなにか考えているような顔をした。

「分かった。辛かっただろう。話してくれてありがと。そうだ、これを渡そう。」

少したって彼が持ってきてくれたのはお皿に乗ったガトーショコラとフォークだった。
ふふっ、なんでこんなところにガトーショコラなんてあんのよ。

「遥木、分かってんじゃん、ありがと。」

ちなみにガトーショコラは私の大好物。というより甘いものは全般好きだ。

遥木とガトーショコラを食べて少しほっとした。いつの間にか涙も止まっていた。
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