ツナミの女/80S青春群像『ヒートフルーツ』豪女外伝/津波祥子バージョン編【完結】
その1
祥子
そろそろお目見えだな…
「みんな、もう来るぞ!いいか、ビビらず思いっきり行けよ!」
「はい!」
とは言っても…
全員、もろビビッてるわ(苦笑)
まあ、なにしろ今夜の相手は、一昨日まで仲間だった先輩だもんな
しかも、空手の猛者と脚力自慢でケリ上手な”熱血"あっこちゃんときた
はは…、私だって気が重いって
...
しかし…
こんなにピンポイントで、人の居場所とか行動を探り当てるなんて、あの三田村峰子って人は何モンだっての(笑)
今すぐリサーチ会社作ってもやっていけるって
それに、それを精査して、こんな絶好の場所で襲撃の段取りも即セットしちゃうんだから、麻衣と真樹子さんもハンパねえや(苦笑)
そんな余分なこと頭に浮かべてたら、やって来たぜ…
私は右の脇道に停車中のワゴン車へと合図を送った
さあ、いらっしゃいだな…
...
ブブブーン…、キキキィー!
ブオーン、ブブッ、キキーン…
「テメー、危ねーじゃねーか‼」
わあ…、ワゴンのドライバーに詰め寄ったのは、あっこちゃんの方だわ
「こらー‼窓、降ろして謝れって!」
「あっこ、そっちはいいよ。…それより、周りを見な!」
おお…、矢吹さんは既に気付いてたようだな
もうメット外して指鳴らしてるし…
よし、こっちもツラ出すか…
...
「こんばんわ…」
「津波…」
「連日お疲れ様ですね。だが、お二人とも痛々しいカッコだな。…今夜は無理しないで、家に戻った方がいいんじゃないっすか?」
「ふざけんな‼このヤロー、勝手にドッグス連れてトンずらしやがって!これから南玉の集まりだって知ってるんだろーが。道開けろよ!」
南玉連合保守サイドの急先鋒、湯本敦子は既に頭から湯気をたててるわ
「そう言われても、ここを通せんぼするのは分かってるでしょう…」
「津波、本郷なんかの手先になって小賢しいマネせず、堂々と来いよ!」
南玉連合総長補佐、矢吹鷹美はもう臨戦態勢だった
...
「へへ…、最高だよ、あんたたちは。私だって、麻衣のど汚い権謀術策にはいつも文句言ってますよ。でもさ、ヤツの見据える場所には頷ける。そっちには恨みつらみなどないが、麻衣の進む道の同行者につき、お二人をすんなり通す訳にはいかないんだ」
「よし…、なら、あんたとは私がやってやる!あっこ…、他の連中は任せた。適当に蹴散らして先に行け!」
「わかった!」
さあ、ゴングは鳴ったぞ…
祥子
そろそろお目見えだな…
「みんな、もう来るぞ!いいか、ビビらず思いっきり行けよ!」
「はい!」
とは言っても…
全員、もろビビッてるわ(苦笑)
まあ、なにしろ今夜の相手は、一昨日まで仲間だった先輩だもんな
しかも、空手の猛者と脚力自慢でケリ上手な”熱血"あっこちゃんときた
はは…、私だって気が重いって
...
しかし…
こんなにピンポイントで、人の居場所とか行動を探り当てるなんて、あの三田村峰子って人は何モンだっての(笑)
今すぐリサーチ会社作ってもやっていけるって
それに、それを精査して、こんな絶好の場所で襲撃の段取りも即セットしちゃうんだから、麻衣と真樹子さんもハンパねえや(苦笑)
そんな余分なこと頭に浮かべてたら、やって来たぜ…
私は右の脇道に停車中のワゴン車へと合図を送った
さあ、いらっしゃいだな…
...
ブブブーン…、キキキィー!
ブオーン、ブブッ、キキーン…
「テメー、危ねーじゃねーか‼」
わあ…、ワゴンのドライバーに詰め寄ったのは、あっこちゃんの方だわ
「こらー‼窓、降ろして謝れって!」
「あっこ、そっちはいいよ。…それより、周りを見な!」
おお…、矢吹さんは既に気付いてたようだな
もうメット外して指鳴らしてるし…
よし、こっちもツラ出すか…
...
「こんばんわ…」
「津波…」
「連日お疲れ様ですね。だが、お二人とも痛々しいカッコだな。…今夜は無理しないで、家に戻った方がいいんじゃないっすか?」
「ふざけんな‼このヤロー、勝手にドッグス連れてトンずらしやがって!これから南玉の集まりだって知ってるんだろーが。道開けろよ!」
南玉連合保守サイドの急先鋒、湯本敦子は既に頭から湯気をたててるわ
「そう言われても、ここを通せんぼするのは分かってるでしょう…」
「津波、本郷なんかの手先になって小賢しいマネせず、堂々と来いよ!」
南玉連合総長補佐、矢吹鷹美はもう臨戦態勢だった
...
「へへ…、最高だよ、あんたたちは。私だって、麻衣のど汚い権謀術策にはいつも文句言ってますよ。でもさ、ヤツの見据える場所には頷ける。そっちには恨みつらみなどないが、麻衣の進む道の同行者につき、お二人をすんなり通す訳にはいかないんだ」
「よし…、なら、あんたとは私がやってやる!あっこ…、他の連中は任せた。適当に蹴散らして先に行け!」
「わかった!」
さあ、ゴングは鳴ったぞ…