ツナミの女/80S青春群像『ヒートフルーツ』豪女外伝/津波祥子バージョン編【完結】
その10
ケイコ
「じゃあ、協力勢力のとりまとめ役である、真樹子さんの意見を聞こう。どうっすかね…」
「まあ、私も祥子の予想通り、今日のところは、向こうから挑んでくることはないと踏んでる。ただ、廃車プールに呼び出しってことなら、連中、30人以上は集まってるよ。なら、こっちも万一に備え、それ以上の頭数で出向くべきね。ただし、はやった下っ端同士の暴発なんて、絶対避けたい…」
岩本さんはイケイケのイメージではあるが、さすが戦略家でもあり、今も至って冷静だ
「…なので、後方待機で備える。それも2段構えくらいでね。実際に祥子と一緒に本陣に入るのは、3、4人に絞ったらどうかと思う」
「なるほどね。ええと、ここで前リーダーのおけいにも意見をもらうか。おけい、頼む」
「私も岩本さんの提案に賛成です。どうしても面と向かうと熱くなるから、相手と接触する数人以外は後方で存在をアピールする範囲にとどめたほうがいいよ」
「私もそれがベターだと思うわ。いいか、みんなも?」
「賛成ー!」
「…そこで、私と一緒に静美を迎えに行くメンバーだが…、誰にするかな…?」
「議長に一任!」
どうやら、祥子が指名ってことになりそうだ…
...
「うーん、じゃあ私からってことだな。本来だったら多美がまず第一ってことになるが、まだ連絡取れてないから、間に合いそうにない。じゃあ、ここはおけいと馬美、それに現場に居合わせた3人を代表して克子に頼もうと思う。いいか?」
「議長!あと1名、久美も同行させたらどう?今後の方針を決定つける大事な場面になるだろうから、メモる人間も必要でしょ」
岩本さんだ…
「賛成です!」
私は即座に発言した
「私も賛成!」
「久美、がんばれ!」
ここで恵川さんに目を向けてみた
やっぱり、ちょっと納得いかないって表情だわ
と思っていたところ…
...
「恵川さん、どうですか?久美を帯同ってことで、みんなは同意してくれてますが…」
「まあ、北田は今回の取りまとめの功労者だし、別に異存はないよ」
祥子の絶妙な振りで、恵川さん、機先をそがれちゃった(笑)
「じゃあ、後方待機の編成は真樹子さん、よろしく願います」
「ええ、任せて。すぐかかるわ」
「よし!これより静美の奪還に向かう。急ごう!」
「おうー‼」
祥子の号令に、みんなは声を揃えて呼応した
...
「久美、私、また後ろいいかな?」
「ああ、もちろんだよ。おけい…、いつも私のこと思ってくれてて、ありがとうね」
私はあえて言葉にはせず、親指を立て、グッドと合図を送った
静美、待ってろ、今行くからな…!
ケイコ
「じゃあ、協力勢力のとりまとめ役である、真樹子さんの意見を聞こう。どうっすかね…」
「まあ、私も祥子の予想通り、今日のところは、向こうから挑んでくることはないと踏んでる。ただ、廃車プールに呼び出しってことなら、連中、30人以上は集まってるよ。なら、こっちも万一に備え、それ以上の頭数で出向くべきね。ただし、はやった下っ端同士の暴発なんて、絶対避けたい…」
岩本さんはイケイケのイメージではあるが、さすが戦略家でもあり、今も至って冷静だ
「…なので、後方待機で備える。それも2段構えくらいでね。実際に祥子と一緒に本陣に入るのは、3、4人に絞ったらどうかと思う」
「なるほどね。ええと、ここで前リーダーのおけいにも意見をもらうか。おけい、頼む」
「私も岩本さんの提案に賛成です。どうしても面と向かうと熱くなるから、相手と接触する数人以外は後方で存在をアピールする範囲にとどめたほうがいいよ」
「私もそれがベターだと思うわ。いいか、みんなも?」
「賛成ー!」
「…そこで、私と一緒に静美を迎えに行くメンバーだが…、誰にするかな…?」
「議長に一任!」
どうやら、祥子が指名ってことになりそうだ…
...
「うーん、じゃあ私からってことだな。本来だったら多美がまず第一ってことになるが、まだ連絡取れてないから、間に合いそうにない。じゃあ、ここはおけいと馬美、それに現場に居合わせた3人を代表して克子に頼もうと思う。いいか?」
「議長!あと1名、久美も同行させたらどう?今後の方針を決定つける大事な場面になるだろうから、メモる人間も必要でしょ」
岩本さんだ…
「賛成です!」
私は即座に発言した
「私も賛成!」
「久美、がんばれ!」
ここで恵川さんに目を向けてみた
やっぱり、ちょっと納得いかないって表情だわ
と思っていたところ…
...
「恵川さん、どうですか?久美を帯同ってことで、みんなは同意してくれてますが…」
「まあ、北田は今回の取りまとめの功労者だし、別に異存はないよ」
祥子の絶妙な振りで、恵川さん、機先をそがれちゃった(笑)
「じゃあ、後方待機の編成は真樹子さん、よろしく願います」
「ええ、任せて。すぐかかるわ」
「よし!これより静美の奪還に向かう。急ごう!」
「おうー‼」
祥子の号令に、みんなは声を揃えて呼応した
...
「久美、私、また後ろいいかな?」
「ああ、もちろんだよ。おけい…、いつも私のこと思ってくれてて、ありがとうね」
私はあえて言葉にはせず、親指を立て、グッドと合図を送った
静美、待ってろ、今行くからな…!