ツナミの女/80S青春群像『ヒートフルーツ』豪女外伝/津波祥子バージョン編【完結】
チャプター3/ツナミを呑み込んだ極激のイカレ少女
その1
麻衣
その8ミリ映像の”映写会”は、およそ45分あまりだった
「じゃあ、終わりなんで、かたしますよ。真樹子さん、いいっすか?」
「ああ」
真樹子さんは、浅土道也の顔も見ずに、生返事してる
「豹子さん、どうっすか?使えそうなのいたかな?」
折り畳みのイスにかけたままの私を、斜め後ろから首を伸ばし、顔を覗き込むように真樹子さんが尋ねてきた
「そうね…。二人ね、とりあえず」
「えーと…」
そう、私の手にしたバインダーを覗き込んでる彼女に、私は言った
「これとこれ…、この二人よ。たぶん使えるでしょ、即で」
「ええと…、双葉女子高の津波祥子。それに…、台方工業高の迫田リエ…か。で、どうします?」
「呼んで。例の廃倉庫にね。うん、早い方がいいわ。やる気あんなら来いって。明日でもいいわ。時間は夜中だろうが、早朝だろうがOKよ。ただし、二人の時間はずらして、個別でセットしてくださいね」
「わかったわ。早速、接触するよ。じゃあ、行っていいかな」
「ええ。あ、今日の分渡しとくわ。ただし、そこから、あの撮影係りの分も出しといて。配分は任せるわ。ゼロじゃなきゃ、あなたの気持ちに従って。それにブツブツってんなら、私が首を縦に振らせるまでだし」
私がそう言うと、真樹子さん、例のにケバイ顔をニヤッとさせて”報酬”を受取った
***
「ええ。はは…、じゃあ。貰っときます」
「それから真樹子さん、次回からは、”女の場”はあなただから。大場ちゃんは外れるわ。今の8ミリでは大場ちゃんが主催者代表だったけど、もう彼は女性陣の会議等には顔出さないわ。で、あなたよ、全権は。無論、私の代理人って立場ではあるわ、いい?」
「ああ、了解だよ。頑張るよ、私さあ、へへ…」
「うん、あなたは頼れる人だわ、ホント。じゃあ、後ろの彼、うっとおしいから、さっさと連れってって。あなたにナマ聞くようだったら、連絡ちょうだい。真夜中でも行くから。遠慮はいらないわ」
「ああ、ありがとう。何かあったら、すぐ連絡するよ。じゃあ、さっそく行動に入るから。失礼するね」
「お疲れさま、先輩。連絡待ってますよ」
この人、割と気に入ってるんだよな、私…
***
真樹子さんは浅土道也を連れ、この相和会所有の空きビルの一室を後にした
8ミリは予想以上に楽しめたわ
その8ミリには、砂ちゃんになびいてきる連中のうち、女性陣営を含めて集めた”会議”の模様が収録されていた
目的は、私が裏からコトを進める上での、”即戦力”の選別だ
さして期待はしていなかったんだが、2人、目についた
あとは、おおむね、クソの足しにさえならない手合いだろう
とはいえ、数で対応って”場面”じゃ、捨て石くらいにはなるか…
とにかくこの二人だ
フフフ…、早速”面談”だな…
”プロフィール”を見ると、二人とも、「はい、分かりました」ってタイプじゃない(笑)
面白いわ…
相馬さんの”エキス”をたっぷり吸ったばかりの私にとっちゃ、いいエネルギー解放の場になりそうだし…
真樹子さん…、では、早く連絡ちょうだいね
***
そして、面接の日はきた…
なんか、梅雨入りが近いって感じで、今日は本降りだ、雨…
この廃倉庫は屋根もよれよれだし、雨音がこれでもかって効果音を響かせている
さて、今日は…
はは、ダブルヘッダーだよね
真樹子さん、段取り、良すぎでしょ
で…、本日最初の”面接”は迫田リエか…
先日のビデオの様子とこの人のデータを見る限り、まあ実利主義者ね
要は時代の最先端を行ってる、金が最優先の割切り型だ
フン、こっちとしてはやりやすい
別にこっちは、出す物を惜しむつもりは全くないし、成果を高く求めて、それに応えてくれりゃいいんだ
そのかわり、ハッタリとか手抜きは一切許さない
絶対にだ
その辺は地獄の閻魔様並みだぜ、この私は、ハハハ…
まあ、一番手のこの人は眼鏡にかなえば、あとは条件面の摺り寄せに行着くだろう
「豹子さん、バイクの音するから、アレ…、そうみたいだ。あ…、来ましたよ」
***
程なくして…、うす暗い廃倉庫の扉が開いた
雨模様の為、いつものありがたい日差しは入ってこない
「こんにちわ。…ああ、岩本さん、先日はお世話になりました。ちょっと早かったっすよね」
「いえ、こっちも早かったからちょうどいいわ。どうぞ…。暗いから足元、気を付けてね。ああ、こちらが今日の、まあ、面接官よ」
真樹子さん、まるで私の秘書気取りだわ(笑)
はは…、そんなケバイ秘書いないって…
麻衣
その8ミリ映像の”映写会”は、およそ45分あまりだった
「じゃあ、終わりなんで、かたしますよ。真樹子さん、いいっすか?」
「ああ」
真樹子さんは、浅土道也の顔も見ずに、生返事してる
「豹子さん、どうっすか?使えそうなのいたかな?」
折り畳みのイスにかけたままの私を、斜め後ろから首を伸ばし、顔を覗き込むように真樹子さんが尋ねてきた
「そうね…。二人ね、とりあえず」
「えーと…」
そう、私の手にしたバインダーを覗き込んでる彼女に、私は言った
「これとこれ…、この二人よ。たぶん使えるでしょ、即で」
「ええと…、双葉女子高の津波祥子。それに…、台方工業高の迫田リエ…か。で、どうします?」
「呼んで。例の廃倉庫にね。うん、早い方がいいわ。やる気あんなら来いって。明日でもいいわ。時間は夜中だろうが、早朝だろうがOKよ。ただし、二人の時間はずらして、個別でセットしてくださいね」
「わかったわ。早速、接触するよ。じゃあ、行っていいかな」
「ええ。あ、今日の分渡しとくわ。ただし、そこから、あの撮影係りの分も出しといて。配分は任せるわ。ゼロじゃなきゃ、あなたの気持ちに従って。それにブツブツってんなら、私が首を縦に振らせるまでだし」
私がそう言うと、真樹子さん、例のにケバイ顔をニヤッとさせて”報酬”を受取った
***
「ええ。はは…、じゃあ。貰っときます」
「それから真樹子さん、次回からは、”女の場”はあなただから。大場ちゃんは外れるわ。今の8ミリでは大場ちゃんが主催者代表だったけど、もう彼は女性陣の会議等には顔出さないわ。で、あなたよ、全権は。無論、私の代理人って立場ではあるわ、いい?」
「ああ、了解だよ。頑張るよ、私さあ、へへ…」
「うん、あなたは頼れる人だわ、ホント。じゃあ、後ろの彼、うっとおしいから、さっさと連れってって。あなたにナマ聞くようだったら、連絡ちょうだい。真夜中でも行くから。遠慮はいらないわ」
「ああ、ありがとう。何かあったら、すぐ連絡するよ。じゃあ、さっそく行動に入るから。失礼するね」
「お疲れさま、先輩。連絡待ってますよ」
この人、割と気に入ってるんだよな、私…
***
真樹子さんは浅土道也を連れ、この相和会所有の空きビルの一室を後にした
8ミリは予想以上に楽しめたわ
その8ミリには、砂ちゃんになびいてきる連中のうち、女性陣営を含めて集めた”会議”の模様が収録されていた
目的は、私が裏からコトを進める上での、”即戦力”の選別だ
さして期待はしていなかったんだが、2人、目についた
あとは、おおむね、クソの足しにさえならない手合いだろう
とはいえ、数で対応って”場面”じゃ、捨て石くらいにはなるか…
とにかくこの二人だ
フフフ…、早速”面談”だな…
”プロフィール”を見ると、二人とも、「はい、分かりました」ってタイプじゃない(笑)
面白いわ…
相馬さんの”エキス”をたっぷり吸ったばかりの私にとっちゃ、いいエネルギー解放の場になりそうだし…
真樹子さん…、では、早く連絡ちょうだいね
***
そして、面接の日はきた…
なんか、梅雨入りが近いって感じで、今日は本降りだ、雨…
この廃倉庫は屋根もよれよれだし、雨音がこれでもかって効果音を響かせている
さて、今日は…
はは、ダブルヘッダーだよね
真樹子さん、段取り、良すぎでしょ
で…、本日最初の”面接”は迫田リエか…
先日のビデオの様子とこの人のデータを見る限り、まあ実利主義者ね
要は時代の最先端を行ってる、金が最優先の割切り型だ
フン、こっちとしてはやりやすい
別にこっちは、出す物を惜しむつもりは全くないし、成果を高く求めて、それに応えてくれりゃいいんだ
そのかわり、ハッタリとか手抜きは一切許さない
絶対にだ
その辺は地獄の閻魔様並みだぜ、この私は、ハハハ…
まあ、一番手のこの人は眼鏡にかなえば、あとは条件面の摺り寄せに行着くだろう
「豹子さん、バイクの音するから、アレ…、そうみたいだ。あ…、来ましたよ」
***
程なくして…、うす暗い廃倉庫の扉が開いた
雨模様の為、いつものありがたい日差しは入ってこない
「こんにちわ。…ああ、岩本さん、先日はお世話になりました。ちょっと早かったっすよね」
「いえ、こっちも早かったからちょうどいいわ。どうぞ…。暗いから足元、気を付けてね。ああ、こちらが今日の、まあ、面接官よ」
真樹子さん、まるで私の秘書気取りだわ(笑)
はは…、そんなケバイ秘書いないって…