好きすぎてヤバい。〜秘密の終わりは恋の始まり⁉︎〜
そして、ついに昼休みが来てしまった。

クラスメイトたちは教室でお弁当を広げ始める。

私は席から動けずに座ったままだった。


東雲さんの姿は……。

すでになかった。

中庭に向かったのかな。

最上くんに告白……、するんだよね。



「萌音」



名前を呼ばれて顔を上げると、最上くんがいつもと変わらない表情で立っていた。

淡々としている、そんな姿だった。



「中庭に呼び出された。……萌音は、どうして欲しい?」

「どうして欲しいって……」

「行ってほしくないか、行って欲しいか」



そんなの。

行って欲しくないに決まっている。

だけど、それを私が決める権利はない。

東雲さんの気持ちを止める権利もない。

告白の邪魔、したくもない……。


こんなときに自分の気持ちを伝えられない自分が嫌になる。

最上くんが好きだから、どこにも行かないで、って言えればどんなにラクなのか。


そんな私が出した答えは。



「行ってきて、いいよ」
< 168 / 237 >

この作品をシェア

pagetop