好きすぎてヤバい。〜秘密の終わりは恋の始まり⁉︎〜
東雲さんの背中を押してしまう答えだった。

そんな私の言葉を聞いて、最上くんは表情をゆがませた。

どこか寂しそうに笑っているのはなんで……?

私が泣きたいくらいなのに。



「……じゃあ、行ってくる」

「うん」



最上くんはそれ以上はなにも言わずに、教室を出て行った。

やっぱり、その姿を快く送ることはできなくて、私は苦しくなった。


私って、心が狭いのかな。

こんな独占欲が強かったら、最上くんに嫌われちゃうかな。

嫉妬むき出しにしたくなかったから、『行ってきていいよ』って言ったのに、後悔しか残らないよ……。


涙声のため息を密かについた時、前の席に座っていた恭介がくるりと振り返った。



「話、聞こえてた」



そう言って、恭介は私の頭に、ぽんっと手を置いた。

その手が『何も言わなくていい』って言ってくれるような気がして、私は思わず涙をこぼした。

静かに流れる涙を手の甲で拭う。

心が痛い。

恋って、こんなにも痛くて苦しいものだったんだね……。
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