好きすぎてヤバい。〜秘密の終わりは恋の始まり⁉︎〜
ポケットから小さなお財布を取り出し、100円玉と10円玉数枚を投入口に入れる。

それからどのボタンを押そうか少し迷う。



「神楽くんはどれがいい?」

「は?」

「飲み物! どれが好き?」



私は自販機を指さすと、神楽くんはなぜか拍子抜けしているような顔をしていた。

その姿からは威圧感とか、眼力の鋭さなどは感じられなかった。


神楽くんは戸惑った様子を見せた後、自販機に近づいてきてボタンを押した。

ガコンッと落ちてくるジュース。

取り出してみれば、そこにはイチゴオレ。

……イチゴオレ、好きなんだね。



「はいっ!」



私はにこっと笑って、神楽くんにイチゴオレを差し出す。



「え?」



イチゴオレと私を交互に見つめる神楽くんは、イチゴオレを受け取る気配がない。

遠慮しているのかな?

急に突き出されて戸惑っているのかな?

……それはありそう。
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