好きすぎてヤバい。〜秘密の終わりは恋の始まり⁉︎〜
「さっきのお礼だよ」

「お礼されるようなことなんてしてねぇ」

「数学の授業で、困っていたところを助けてくれたじゃん」



問題の答えを教えてくれたそのお礼っ!

私は神楽くんの手を取り、その手にイチゴオレを乗せる。


どうしてもお礼がしたかった。

私には困っているところを助けてくれる友達なんていなかったから。

助けてくれたことが嬉しくて、どうにか『ありがとう』の気持ちを伝えたくて。

私の頭にはジュースを渡すとか、そのくらいしか浮かんでこなかったけど……。

でも、神楽くんの好きなジュースを知ることが出来て嬉しかったな。



「ありがとな」



それまで険しい顔をしていた神楽くんが、目を細めてふっと笑った。

心がほっ、と包み込まれるような微笑み。

その笑顔を見て、私もお礼がちゃんと言えてよかったな、って思った。


キーンコーンカーンコーン。


穏やかな空気をぶち壊すような、授業開始のチャイムが耳に飛び込んできた。

神楽くんと目を見合わせる。

これって、もしかして。
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