好きすぎてヤバい。〜秘密の終わりは恋の始まり⁉︎〜
「神楽くんも座ろうよ」



手招きをすると、神楽くんは頭を掻きながらベンチに座った。

私の隣に座る神楽くん。

神楽くんはベンチの背もたれに体を預け、空を仰いでいる。

眩しそうに目を細めている姿は美しいなって思った。



「神楽くんって、勉強得意なの?」



唐突な私の質問に、神楽くんは驚いたようにこちらを見る。

それから少し考えた後に教えてくれた。



「んー。得意っていうか、勉強しかやることがないから」



その目は優しく、だけど少し切なげに感じた。

勉強しかやることがないって、どういうことだろう?

疑問を浮かべる私を見透かしたのか、神楽くんは、ははっ、と笑う。



「俺、昔から視力が悪くてさ。目つきが怖い、ってよく言われてさ」

「……あ」

「睨んでいるわけじゃないんだけど、周りから睨んでいるように見えるらしい」



教室で私が声をかけたとき、神楽くんは怒っていたわけじゃないんだ……。

勝手に怒っているとか、怖いとか思ってしまった自分が恥ずかしくなる。
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