好きすぎてヤバい。〜秘密の終わりは恋の始まり⁉︎〜
「萌音はすぐに表情に出るから」

「そんなこと、」



私が否定をしようとすると、私を抱きしめる最上くんの腕に力が入った。



「そんなことあるよ。萌音は、入学式の日から全然笑ってなかった」

「……え?」

「周りの様子ばかりうかがっている感じで、ちゃんと笑っているところ見ることできなかった」



そんなことないよ。

そう言いたいのに、言えない自分がいた。



「萌音は人の目ばかり気にして、自分のことは後回し」

「……何が言いたいの?」

「俺の前では我慢しなくていいよ、ってこと」

「っ、」



我慢なんて、しているつもりはなかった。

だけど、人の顔色や態度ばかりうかがっていたのは事実。

高校入学して友達が出来なかったのは、隣の席の人が人気者だったからじゃない。

最上くんが私の隣の席で、女子から睨まれて、友達を作れなかったんじゃない。

それを理由にして、私が動こうとしなかっただけ……。

友達を作る努力すらしてこなかっただけなんだ……。


そう思うと涙が止まらなかった。
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