ジェラシーを彷徨わせて
ツンとした態度で凪をスルーしながら、生クリームをたっぷりと添えた最後の一口を存分に味わって、ごちそうさまでした、と手を合わせる。
そのままなんとなく視線を上にあげると、頬杖をつきながらこちらをじっと見ている無愛想な瞳とぱちりと重なってしまって、思わず顔を顰めてしまう。
「ふ、リアクション失礼すぎだろ」
「そっちだってさっきから人の顔じろじろ見て、失礼!……ぁ、もしかして、生クリームとかついてる……?」
すると、企むように口角を持ちあげた凪が、さあ、とお得意の薄笑いで首を傾げてみせるから、やっぱり!と半ばキレ気味のまま口を拭っていると、とつぜん手首をゆるい力で掴まれる。