夏の大三角~恋~
「ねえ、琴ちゃん。」
先輩が私の耳元で囁く。
「ダブルスは、スマッシュはキツイ。プッシュで押し込んでいけば勝てるから。」
先輩の声が気持ち良く鼓膜を揺らす。
私は返事の代わりに先輩ににっこりと微笑んだ。
「きゃー!!イケメン×美女ーー!!」
えっと、そこの黄色い声を飛ばす女の子たち、ちょっとうるさいです。
私が美女?
ふふ、まさかね。
三星の方が、可愛いし。
「おねがいします!」
私はシャトルに集中する。
勝てる…プッシュ…ローテーション…。