夏の大三角~恋~
「大丈夫?琴。」
ふわりと温かさに包まれる。
「顔色真っ青だよ。」
私の頭を撫でてくれる。
それだけでスッと体が軽くなるようだった。
「鷲……。」
「ふっ…お前、小さい頃から変わっていないな、乗り物と、高い所が苦手なの。」
あ…。
そっか、私、高所恐怖症だった。
「だから、窓際は無理だと思ったのに。バスと同じノリじゃダメだよ。」
笑いを含んだ声で言われる。
「しゅ…う…。ありがとう…。」
いいね、幼馴染って。
私のこと、一番よく理解してくれている。