夏の大三角~恋~
「鷲ー!琴ー!肉焼けたよー!!」
三星が叫ぶ。
「おう!」
「う、うん!!」
高鳴る胸を押さえて、三星に笑顔を向ける。
「琴、おいで。」
鷲が私に手を伸ばす。
鷲と手を繋ぐなんて、十何年も前からやっているけど……。
今、鷲と手を繋いだら…。
戻れなくなりそうだよ、私。
鷲に惚れて、戻れない。
怖いんだ、本当は。
もしも、私の思い上がりだったら。
でも…。
今は、あなたのそばにいさせて。
その手を掴ませて。
私に、夢を見させてください———。
淡い恋の夢を。