夏の大三角~恋~



「俺の名前な……、親が考えてつけたんだよ。」



鷲は急に真面目な声になって言う。



「鷲座のアルタイル。織姫様の恋人。俺にも、一生添い遂げられるような、素敵な織姫様が見つかります様にって。」



柔らかく鷲が笑う。



「俺はね、ずっと先の未来まで、心配してくれる親がいて、幸せだよ。」



へえ、鷲がそんなことを言うなんて、珍しい。



「ま、それで一生添い遂げられる自信がない人は全てフッているんだけどね。お陰で彼女はできんわ…。」



クスクスと鷲が笑う。

私たちも呼応するように笑った。
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