夏の大三角~恋~



私は、竜二先輩に支えられるようにして、砂浜に戻った。


シートの上に、先輩と並んで座る。


先輩の筋肉質な上半身が月明かりに照らされる。


先輩は一言も話さない。



私を気遣ってくれている。



「っ…、好きだったのに……。」




そんな先輩の横で、私は泣き続けていた。





———ふわっ。





「え…。」




私の体に温かいものがかけられる。



……先輩の上着だ。



温かい……。

先輩の優しさにも涙が溢れる。


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