君の見ていた空
金の亡者の鬼ヶ城さんが、億単位の金をくれるなんて、どうしたのだろうか?
僕が不思議そうな顔をしているのを見て、鬼ヶ城さんが、俺はそこまで金金していない。それに、権力者から奪い取る金の方が額が多いし、旨味もある、と言ってきた。
とりあえず、大まかな計画は決まった。
僕がホクホク気分で獄門組の屋敷を後に帰路に向かっていると、下僕1号と2号が泣きながら僕のところにやって来た。
1号の方は、僕が顔を出して、繁華街で情報収集をしている時、1番良い情報を持ってきた奴だ。確か名前は、安堂司(あんどうつかさ)だった気がするが、ポチと名付けた。
ポチは、キャンキャンと犬のように小五月蝿いが、情報収集のプロである。僕が言った事に対して、できなかった事がない。ポチは使える下僕である。僕が、笑顔で褒めてやると、泣いて喜ぶ。ついでに、首輪をつけて、リードにつないで散歩してやろうか?と聞いたら、本気で泣きながら嫌がられた。何でも、ポチとしても立場があるらしく、公共の場で散歩されると、今後の情報収集に響くらしい。だけど、散歩は魅力的だがら、今度、獄門組の屋敷に行く時は、首輪とリードを喜んでつけると言ってきた。
ちょっと頭がおかしいのかもしれない。ポチは、西洋的な美形男子なのだから、もう少し人間らしくした方が良い気がする。
僕よりも少し歳上の大学1年生らしく、時間の余裕が僕よりある為、情報収集がしやすいと言っていた。ポチとは今度とも仲良くしていきたい。
姉には、新しいペットができたと紹介しよう。ポチも本望だろうし、姉には会ってみたいと言っていたので丁度良い。
ちなみに、両親にポチの紹介をした時、何で首輪とリードをつけていないのか聞かれたので、公共の場だとポチにも立場があるらしく、今後の情報収集に支障が出ると言ったら、相変わらず、ウチの梓ちゃんは激甘だねと言われた。