君の見ていた空
 俺は俺で好きやるから、両親は両親で好きにしたら良い。

 家族の情とか、愛とか友情とか俺は良く分からない。
 
 だけど、梓様に出会ってから、この人の笑顔が見たいと思うようになった。
 梓様は、とんでもない美形だし、その姉も中々レベルの高い人だから、2ショット写真を俺の今回の報酬にしよう。

 梓様が、黒い笑みで、首輪とリードを持ってきた時には、新しい扉を開きかけたが、俺は結構イケメンキャラというか、クールな情報屋を気取っているので、公共の場で首輪とリードをつける勇気はまだ持っていなかった。

 梓様のご両親に会った時は、とんでもなく肝が冷えた。あの方達は人間の事を平気で痛めつけられるし、趣味が拷問みたいなイカれた人間の匂いがプンプンした。
 案の定、奴隷とか危険な発言をしてくるし、何故悪魔の遺伝子から極上の天使が生まれてきたのやら。
 そして、梓様はご両親の事を誤解している。あの方達は、平和とは正反対の生まれながらの戦闘狂だよ。
 今は優しいご両親かもしれないけど、覇王のオーラがするよ。きっと、前世は閻魔様だよ。

 梓様のご両親から、何故、首輪とリードを拒否したんだ!?ブチ殺すぞという目で見られた時、梓様は天使様から神様に昇格した。
 梓様は、神様だった。
 神様だから怒ると怖いけど、普段は優しいんだ。

 神様、俺をペットにしてくれてありがとう。俺、神様の役に立ち続けるから、お願いだから奴隷にはしないで下さい。

 奴隷にするなら、ウチのクソ両親にして下さい。
 一応、梓様のご両親には、ウチのクソ両親の事を紹介しておいた。何処に出しても恥ずかしくないド屑を探しているようだから、そのお手伝いの1つとして。

 なんてったって、俺は役に立つペットだからね。
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