君の見ていた空
 僕の携帯電話から聞こえてくる会話を彼奴等の内の1人が聞いたのか、僕の方を唖然とした顔で見てきた。

 僕は、姉と双子の姉弟であることを学校で言った事はなかったのだ。

 姉と僕は二卵性双生児である為、あまり似ていないのである。
 姉は、社交性が高い事に加えて、美人であった為、いつも周りの人に囲まれていた。
 対して僕は、人見知り&社交性皆無の根暗人間だった為、友人と呼べるような人がいた記憶がほぼほぼ無いような人間だった。    唯一の取柄は、勉強(と運動※血縁者以外は知らない)がとても良くできた事である。
 姉も勉強のできる方だったのだが、僕は姉よりも遥かに勉強ができたというか、生まれつき頭の良い人間(知識欲が強いのと記憶力が抜群に良かった)だった。
 2歳位から文字の勉強をはじめ、3歳位からは日本と英語を同時進行で勉強して、その後はありとあらゆる事を勉強していた気がする。
 そのおかげもあってか、周りの人は僕の事を天才扱いというか、腫れ物扱いをするようになっていた。まぁ、僕は小学生位から大学教授達と一緒に様々な研究に触れ、色々な成果を出してきていて、その中には世の中への影響力の大きな物もあったので、僕の名前が出ていなくても、周りの大人が守ってくれるような存在になっていたのかもしれない。
 
 だからなのか、僕は勝手に僕の家族の事は周りの大人が守ってくれるものだと思っていた。僕は家族を大切にしていたし、姉の事は特に大切に思っていたので、皆知っていると思っていたのだ。
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