君の見ていた空
要するに、話しかけて来るなという事だ。
また、梓さんの人に対する接し方に苦言を呈して来たとある教師には、
「僕、オマエが姉の事を気に入らなくて、成績を少し悪くしてたのを知ってるけど?オマエ、自分が今まで少しだけ顔が良くてチヤホヤされていたのが、姉によって放って置かれたのが気に入らなかったのか?……20代の教師が珍しいのと、胸と尻がデカいのと、露出の多めの服装のおかげでチヤホヤされていただけの分際で調子に乗ってんじゃねぇよ。もう一回、人生やり直したら?せ・ん・せ・い♥」
と言い放っていた。
情け容赦なさすぎて、ちょっと相手に同情するレベルである。
梓さんは、学校内で着々と魔王としての名を広めていっていた。
そして、授業を聞かなくなっていた。
一応、学校には来るが、机の上に教科書を載せておくだけで、いつもパソコンで調べ物をしていた。ちなみに、授業中の教師の問いには全て答えていたし、教科書の内容を全て暗記しているのか、教科書の朗読もパソコンで調べ物をしながら、一字一句間違える事なく答えていた。
ボクは軽く引いた。教師に聞かれた事はコンマ1秒もしないうちに答えているし、一体頭の中がどうなっているのか、怖くなった。教師達の反応も様々だった。
驚いて固まる教師、顔を真っ青にする教師(多分、梓さんに軽く喧嘩を売るような問いをしていたと察する)、本当に天才なんだと改めて納得する教師。
梓さんは、自分の能力をフル活用するようになった。
そして、学校前に、美形を待たせるようになったのだ。
西洋風のイケメンと、とんでもない美形をだ。
西洋風のイケメンは、ポチととんでもない美形はタマだよとボクに梓さんが紹介してきた時、ボクはちょっと気絶したくなった。