大江戸ガーディアンズ
その有無を言わせぬ目力に、与太は負けた。
すっ、と我が目を逸らしてしまったのだ。
ほんの刹那、彦左は鼻で与太を笑った。
そして、彦左はおすての袂を掴んでぐいと手許に引き寄せたかと思うと、そのまま御堂の外へと引っ張って行ってしまった。
まだまだ降り続く雨の中、与太はなにも云えずにいた。
ただ、二人の姿が曲がり角の向こうへと消えていくのを、じっと見つめることしかできなかった。
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