大江戸ガーディアンズ

されども——

一時(いっとき)は「舞ひつる」として久喜萬字屋の御座敷に出てはいたが、それこそ何の因果か今は「武家の妻女」に収まった。

ゆえに、此度(こたび)再び「舞ひつる」として久喜萬字屋に戻ってきたのは——ひとえに「御役目」のためである。

——もし、我が身に与えられた()の任を、(つつが)なくやり仰せたならば……

美鶴はその心に、つよく思う。


——この先、いっさい気後れすることなく、堂々と胸を張って……

わたくしは「武家として」生きてゆけましょうぞ。

< 179 / 316 >

この作品をシェア

pagetop