大江戸ガーディアンズ

与太は弾かれたように、駆け寄った。

おすては納戸の一番奥に閉じ込められていた。

もう少し遅ければ、やはり此処も火が回ってしまって危なかった。


だが、しかし——


「髪が……おすての髪が……髪が……」


おすての髪は無惨にも、(まげ)の根元からざっくりと刃物のようなものでぶった斬られていた。


「与太さ……」

おすては微かにつぶやいたあと、目を閉じた。

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