大江戸ガーディアンズ
「た、太郎丸もだと……
太郎丸は我が本田家の嫡男ではないかっ」
流石の主税も声を荒げた。
「だ、旦那さまなら、すぐにでも後妻をお迎えになられまする」
和佐の頭に嬉々として釣書を支度している姑・千賀の姿が浮かんだ。
——腹が立つ。
「剣術道場に通われてござった頃には、いつも道場の外でおなごたちが黄色い声をあげておったではありませぬか」
若衆髷であった和佐を、男ではなくおなごだと知っている者たちからは、凄まじい目で睨まれていたのだ。
——腹が立つ。