大江戸ガーディアンズ

そもそも、妻の兄から其れ(・・)を聞いたのが、この怒りの切欠(きっかけ)であったのだ。


「……おまえ……『番頭新造』とか云う(おんな)変装(やつ)しておったらしいな……」

「其れがなにか」

和佐が首を傾いだ。


(それがし)にも見せてくれ。
なにゆえ、おまえの兄が見られて夫である(それがし)が見られんのだ。
それから……悪いが、今度から母上にも土産をやってくれ。
毎日愚痴られてたまらん」

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