大江戸ガーディアンズ
〜其の参〜
莨盆の向こうに座った父・甚八が息子に告げた。
「与太、見合いの日が決まったぞ」
「なんてったって、水茶屋の嘉木屋の夫婦が持ってきてくれた縁談だかんねぇ。
身元のしっかりしたおなごらしいよ」
水仕事を終えて前掛けで手を拭きながら、母のおふさがうれしそうに云った。
——仕方ねえ……
親父と約束しちまったことだかんな。
与太はしばらく仕事を休む代わり、この捕物が終わった暁には……
父・甚八の云うことをなんでも聞くと。