大江戸ガーディアンズ

あの火事で助け出したのは確かに与太かもしれないが、彦左が「鈴」のことを教えてくれなければ、与太には見つけだせなかった。


そして——

彦左がおすての髪を切ってくれなければ「おひろ」にはなれなかった。

きっと「羽風」として今でも久喜萬字屋で春を(ひさ)いでいたはずだ。


それに、もし彦左が生きていたら、いつかおすてを迎えに戻ってくるかもしれない——

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