大江戸ガーディアンズ

ある日いきなり、

『金輪際、探さなくてよいぞ。
そして……此(こ)れまで見聞きしたことは一切合切忘れろ』

と、与太に告げたのは——兵馬だった。


せっかく囲われていた界隈まで判(わか)っていたと云うのに……

何故(なぜ)か、とある大名から横槍が入ったのだ。

兵馬は奉行所で御役目をいただく身であるとは云え、所詮町方役人だ。
大名が相手では、いくらなんでも荷が勝ちすぎた。


そうこうしている間に、またもや舞ひ(まい)つるの消息がぷつり、と途絶えた。

よって、与太はとうとうその顔すら知らぬじまいだ。