大江戸ガーディアンズ
「なにを仰せかと思えば……」
ともすれば、冷ややかに見られがちな主税の涼やかな目元がふっと緩んだ。
「某も、若衆髷の頃は剣術道場へ通っておったではござらぬか。
稽古では木刀を用いて主に型を学び、たとえ試合であろうと寸止めにてござったのを、よもやお忘れか」
曇っていたその面持ちが、次第に晴れやかになっていく。
「母上のご心配には及びませぬゆえ、どうかご安心を……」
だが、しかし——
「こ、この戯け者めがぁッ」
母からさらに大音声が落ちてきた。
「わらわが申しておるのは、そないなことではあらぬわぁッ」