君がいなくなった世界
でも建物内に入ると、翼が笑ってる写真が飾ってあって、お花も置いてあった。

私に差し込んだ希望は、ガラガラと音をたてて崩れ去った。

「詩織、ももちゃん、来てくれてありがとう」

お母さんと私を呼んだのは、翼ママ。

「うん……」

翼ママとお母さんが二人で話し始めたとき、視界の端に白い、長い箱を見つけた。

あの中に翼がいるんだ……。
「お母さん、私、翼に会ってくるね」

肩をたたいて話しかける。
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