君がいなくなった世界
そのせいなのか離れたくなくて、私はその場から動けなかった。

そこから帰る前までの記憶が、全く思い出せない。

一つだけ覚えてるのは、帰り際に

「ももちゃん」

「翼ママ……」

溢れる涙を、見られないように制服の袖で拭いながら振り向いた。

「翼がね、病院で亡くなる前にももちゃんに伝言を残したの」

伝言……?
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