君がいなくなった世界
ここから落ちれば翼に会えるかな?

残りの人生、翼なしでは生きていけないよ。

止まらない涙を流しながら、私は柵に手をかけた。

あ、意外と高い。

校庭を歩いている人が、着せ替え人形よりも小さい、ありんこサイズに見えるほどだった。

柵にかけた手に力を入れて身を乗り出そうとした時。

バンッと音がして茜と風夏が肩で息をしながら屋上にやってきた。
< 35 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop