君がいなくなった世界
「じゃあ、教室戻ろ?」

「うん」

教室に戻ってすぐの授業は、なんだかスッキリした気分で受けることが出来た。

きっと新しい生き方を見つけたから。

もう私は、翼がいなくても生きていける。

帰りは約束通りクレープを食べて、風夏と茜が一人にさせるの怖いからって私を家まで送ってくれた。

その日の夢で、翼が一方的に私に語る夢をみた。

「もも、自分の命を大切にして。せっかく産まれてきたのに、生まれてこれたことは奇跡中の奇跡なのに、俺の事だけで死んだら、俺自分の事責めちゃう。ももがいなくなったら、おばさんも、ももの友達も学校の先生も。みんなすごく悲しむよ。俺も、ももには死んでほしくない。ずっと見守ってるから、生きて。ももは、一人じゃないから」
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