殿下が恋をしたいと言うのでさせてみる事にしました。婚約者候補からは外れますね
 夢で起きた……一体いつの昔の……お嬢様がまだ幼くて、ブラッド様がおいでになる前の……懐かしい記憶だ。

 私が十歳の時にお嬢様がお生まれになった。
 とっても可愛くて守るべき私の主人。可愛くて、素直で、私の後ろをちょろちょろとついてくる姿がとっても愛らしい。
 こんな愛らしいお嬢様にお仕えできるのは、心からの悦びだ。


 お嬢様は愛らしい笑顔でみんなを虜にする。勿論私も例外ではない。人懐っこい性格が災いして、人攫いに遭いそうにもなった。寿命が縮んだ。


 私の父はお嬢様の邸の執事をしていて、私も小さい頃から邸に住まわせてもらっている。執事見習いの為、お嬢様の為にもしっかりとお役目を果たさなければならない。

 愛すべきお嬢様の為にも、完璧な執事を目指す為、学園に入学した。
 お嬢様と身分は違うが、一応貴族の端くれである。


 
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