殿下が恋をしたいと言うのでさせてみる事にしました。婚約者候補からは外れますね
「おうじさま?」

 可愛い男の子が王子殿下だとその時に知りました。

「はじめまして、僕はウィルフレッド、君の名は?」

 気遣うように優しく自己紹介をしてくださいました。

「わたしのなまえは……カテリーナ」


「カテリーナ、一緒に遊ぼう」

 手を差し出して来られました。恥ずかしくてお父様の首に手を回して顔を隠してしまいました。

 お父様は慌てて私を連れて行こうとしたけど、お庭で遊ぶ事にしました。五歳の時の話です。




 それから毎週おうじさまと遊んだ。おやつを食べたり、お庭を散策したり、一緒にお勉強もしました。王宮を抜けて街にも行きました。


 王都の街で流行っているクレープが食べたかったから……王宮から抜け出して、お父様と王妃様にいっぱい怒られて泣いてしまったら、おうじさまが頭を撫でて慰めてくれました。我儘言ったのは私なのに、おうじさまが怒られてしまいました。でもその後に、次はバレないようにしようねと笑ってくれたの。



 とても楽しい時間だったけど、毎週はちょっと大変……でもまた来週ね。と言われて遊びに行きます。
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