殿下が恋をしたいと言うのでさせてみる事にしました。婚約者候補からは外れますね
ノーマンは執事長の息子で二十五歳。
幼い頃から遊んでもらっていたお兄さんみたいなものだけど、たまに意地悪をしてきます。信頼をしていますので許してあげますけどね。意地悪や嫌がらせを指摘すると、躾です。と言われました。
私はあなたのペットですか?
「返事を早くと殿下の遣いが待っています」
早くしろ! と言う顔で顎をくいっと前に向けた……ひどい。
渋々返事を書くことにしました。
仁王立ちして睨むのはやめて……
失敗したら書き直しなんですから!
【パートナーは決まっていますので、お言葉は嬉しいのですが辞退させていただきます。お気を遣わせたようで申し訳ございません】
「ねぇ、こんな感じでどうかしら?」
ノーマンに確認します。失礼があってはいけませんものね。
「お嬢様のわりに、やんわりと断れたところはポイントが高いですよ。普通は王族からの誘いは受けるものですから……」
サッと便箋をカテリーナから取り上げ、封筒に入れると、遣いの人に届けに行きました