殿下が恋をしたいと言うのでさせてみる事にしました。婚約者候補からは外れますね
正妃である母しか娶ってはいないのだが……手を付けた女性が多すぎる……
何人いるとか、聞きたくないけど耳に入ってくるんだよ……息子の私もドン引きだ!
ちゃんと避妊はしているのか、私には母から生まれた弟がいるだけで、腹違いの兄弟は幸にしていない。
「婚約してくれるのなら婚約式で皆の前で誓う。側室や愛妾は取らんと。父の愚行が王家の威信を汚している。私はそうはならない。婚約者候補から外してしまった事は、愚かな私の視野の狭さがもたらした結果で、カテリーナやマドレーヌに申し訳ないと思っています」
これは心からの言葉だ。宰相の目をしっかりと見て自分の言葉で伝えた。
「そこまで言うのならば、私は口を出しませんよ。あとは娘の気持ち次第です。求婚も絶えませんし、そろそろ相手を決めなくてはなりませんから……ただし! 浮気してみろ!! 一生後悔させてやるからな!」
恐ろしい顔で私を睨んでくる……
娘を思う親の顔なのだろうが、私は第一王子で近々王太子になり、将来的には国王になる身なんだが……。
宰相のように国を支えてくれる者たちがいるから国は成り立つのも事実。重々承知している、情けないが反論はしないでおこう。いや出来ません。
一度婚約者候補から外しておいて、婚約者になって欲しいと言う愚かな男だ…
友人の意見を聞いて恋というものを夢見たが、あいつらだけの意見を鵜呑みにした。本当に情けない。
本当に愚かだった……こんな奴に娘をくれと言われて、ホイホイくれる様な家では無い。カテリーナは良い環境で育った。それも含めて信用を取り戻さないといけない。